18 体育事始め

文聞亭笑一

アントワープ大会ではテニスだけがメダルに届きましたが、鳴り物入りで乗り込んだ金栗四三たちの長距離陣は惨敗でした。

「井の中の蛙 大海を知らず」などと揶揄されますが、国際試合と言えばオリンピックがぶっつけ本番ですから、選手たちを非難するわけにはいきません。が・・・今も昔も、マ スコミ人は、敗けた選手たちを厳しく批判しますねぇ。

先週のテレビでは国賊扱いをしていましたね。

この傾向は現代でも同様でしょう。だいたい、記者連中という種族には、体育会系が少なく、自分で実技をやったことのない連中が多いのです。「知っていることと、出来ることは違う 」という「厳粛な事実」を体験していないのです。

明治、大正、昭和、平成とこの文化はますます勢いを強めていますが、令和で価値転換を図りたいものです。

四三がお茶の水の教授に

夢破れた四三は、オリンピックでのメダルへの夢を捨てて就職します。その就職先がお茶の水女学校でした。現在のお茶の水女子大学です。

悠仁親王が通うのが付属中学で、その教室に刃物が置かれたりして話題になりましたが、創設以来奈良女子大学と共に、女子教育の中核的役割を担います。

四三先生は何を教えたのでしょうか。体育…には違いありませんが、長距離走ではなかったように思います。

スースーハーハーの呼吸法なら、あらゆる分野に応用できそうなので、分娩などの女性最大、最高の仕事への体力作りには役立ったかもしれません。

今週は韋駄天よりも数百倍、トランプ大統領の方が注目を浴びました。新天皇陛下がこの大統領にどのように接するか…そんな目で中継映像を眺めていましたが、さすがですね。

天皇が外交問題などの政治向きの話題を口にすることはありませんから、日常会話が中心でしょう。

トランプ大統領が「See you again」というのに「See you soon」と答える余裕すらありましたね。

午前中に会って、また夜には晩餐会で会うのですからSoonです。

日本のスポーツ界が国際舞台で力を発揮し始めるのは戦後です。戦前も「前畑頑張れ」などと幾つかの金メダルを取りましたが、国家の威信をかけていたのでしょうね。